家具や電化製品の公証役場手数料はいくらかかる?
公開
初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)
動産の財産分与の条件を記載した公正証書を作りたい。
と考えている方の多くが公証役場手数料(費用)の計算でつまずきます。
ここでは動産の財産分与の公証役場手数料の計算方法について、具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
【目次】
○ 3つの具体例を使って公証役場手数料を解説
○ 養育費の公正証書作成に伴う補助金をご存知ですか?
○ 離婚チェックシートの回答から始めませんか?
3つの具体例を使って公証役場手数料を解説
① 円満に動産を分配した
② 動産の対価として現金を一括で受取った
③ 動産の対価として分割払いの支払合意をした
※ 動産は自宅内にある家具や電化製品のことです。
このコラムでは①~③のパターン別に解説していきます。
おそらく多くのご夫婦が①~③の内、いずれかで合意することが多いです。
先ず夫婦間協議の結果、①円満に動産分配した場合、
離婚公正証書には証拠として記載するので公証役場手数料はかかりません。
例)テレビとパソコンは夫、冷蔵庫とエアコンは妻が取得した。
なお、協議離婚は夫婦間の話し合いをベースに進めるので、
動産の分配方法については夫婦間の自由な意思で決めることができます。
動産の財産分与を含むどんな条件でも離婚公正証書に記載したら公証役場手数料が発生する。と勘違いしている方が多いのでご注意ください。
次に夫婦間協議の結果、以下の条件合意をすることがあります。
この合意をしても問題ありませんが、公証役場手数料は②と③で考え方が変わります。
夫は自宅にある動産を取得する対価として妻に50万円を支払う。
仮に離婚前に夫が妻に50万円を一括で支払っていた場合、
①と同じで証拠として記載するので公証役場手数料はかかりません。
なお、離婚後に50万円を一括で支払う場合、後述する③と同じ考え方になるのでご注意ください。
少し話は逸れますが、②の場合、50万円を一括で支払う。という清算方法ではなく、預貯金の分配比率(夫4割、妻6割など)を変えるケースもあり得ます。
最後に離婚後に夫が分割又は一括で50万円を支払う場合、
離婚公正証書の効力として有名な強制執行の対象になるので公証役場手数料はかかります。
③は「離婚後に支払う」がポイントになります。
〈ここまでのまとめ〉
①は公証役場手数料はかからない。
②は離婚前の支払なら公証役場手数料はかからない。
②は離婚後の支払なら公証役場手数料はかかる。
③は公証役場手数料はかかる。
注)このまとめは離婚前に公正証書を作成するケースを想定しています。
なお、公証役場手数料は目的価額から算出されます。
目的価額が難しいので計算方法でつまずく方が多いです。
〈目的価額とは?〉
・支払総額が100万円までは5,000円
・支払総額が200万円までは7,000円
・支払総額が500万円までは11,000円
・支払総額が1000万円までは17,000円
・支払総額が3000万円までは23,000円
※3000万円以上の価額は割愛しています。
今回は対価として支払う50万円が目的価額となります。
つまり公証役場手数料は100万円までに該当するので5,000円となります。
以上のことから動産の財産分与では夫婦間協議の結果、
公証役場手数料がかかるケース、かからないケースがあります。この機会に覚えてください。
計算方法が難しい。という方はお気軽にご相談下さい。
養育費の公正証書作成に伴う補助金をご存知ですか?
今回は動産の財産分与について解説しましたが、財産分与と同時に養育費の条件を記載する方も多いので大事な情報をお伝えします。
離婚公正証書は無料で作ることができず公証役場手数料の支払が必要です。
離婚公正証書には養育費、慰謝料、財産分与など様々な離婚条件を記載しますが、この内、養育費の条件にかかる手数料について補助金を出す自治体が増えています。
全ての自治体が補助金を支給している訳ではないのでご注意下さい。
詳細は養育費の公正証書を作成すると支給される補助金について知りたいをご覧下さい。
【参考情報】
・家具や家電の財産分与が大事な理由‐離婚時の分け方を解説
・動産の財産分与はどこまで話し合う?‐具体例を使って協議の流れを解説
・家具家電の財産分与は口約束でもいい?口約束のトラブル例と解決策
・理想的な動産の財産分与の終え方‐離婚時の電化製品や家具の財産分与
離婚チェックシートの回答から始めませんか?
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
離婚協議書や離婚公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した離婚チェックシートの送付から始めます。
注)離婚チェックシートだけの販売は行っておりません。
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
離婚チェックシートとは
1.計13ページ63項目を掲載
2.協議離婚に必要な情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。
主に養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割の情報を掲載。
20代~40代のご依頼者様が多いので養育費と面会交流の項目が多いです。
なお、3年位前からは世代を問わずご依頼を頂いております。
世代に応じてテーマになる離婚条件(退職金など)は異なりますが全て対応できます。
具体的には以下のような形で掲載しています。
・貯金の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)
・動産の分配はどう記載しますか?(選択肢は3つ)
このように自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく効率良く離婚の協議を進めれます。
注1)離婚チェックシートのみの販売はしておりません。
注2)弁護士法の規定により相手方との交渉はお引受できません。
離婚チェックシートに回答後、じっくりと打合せを行い、
ご夫婦の意向に沿った質量共に充実した離婚協議書や離婚公正証書などを作成します。
詳細は離婚チェックシートとはをご覧下さい。
【公証役場手数料 2024/11/30】