養育費支払公正証書の作成方法をわかりやすく解説
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初めまして、行政書士の辻 雅清と申します。
2010年に開業以来、下記業務について力を入れております。
・離婚協議書作成(全国対応)
・離婚公正証書の代理作成(全国対応)
・認知に伴う養育費支払公正証書の代理作成(全国対応)
長い人生の中で養育費支払公正証書を作成する機会は少ないです。
このことから馴染みがない言葉が多く、わからないという方が多いです。
今回は子どもの認知に伴う養育費支払公正証書の作成についてわかりやすく解説します。
【目次】
○ 自分で作成する?専門家へ作成依頼をする?
○ 公正証書作成前にするべき2つのこと
○ 公正証書に残す代表的な3つの条件
○ 認知条件のチェックシートを利用しませんか?
○ 代理作成を利用すれば公証役場に出向く必要はなし
○ 代理作成を利用した場合の必要書類は2人で6つ
○ 公正証書を作成することで得られる4つのメリット
○ 料金案内(安心の後払い)と養育費の補助金
○ 無料相談のお問合わせ(全国対応)
○ プロフィール
このページは認知に伴う養育費支払公正証書の作り方に特化しています。
子どもの認知に伴う戸籍、養育費の相場などの条件については掲載していません。
認知に伴う戸籍はこちら、養育費の条件はこちらをご覧下さい。
これから認知条件の話し合いを始める方にとって役立つ内容です。
自分で作成する?専門家へ作成依頼をする?
認知に伴う養育費支払公正証書は自分で作成することも専門家へ作成依頼をして完成させることもできます。
ここではどちらの方法で作成するか悩まれている方へわかりやすく違いをお伝えします。
〈公正証書完成までにするべきこと〉
① 認知に関する条件情報を調べる
② 当事者で養育費などの条件を話し合う
③ 合意した条件をメモ用紙などに整理して記載する
④ 公証役場に出向いて養育費支払公正証書を完成させる
先ず自分たちで養育費支払公正証書を作成する場合、
①~④全てを自分たちで準備をして進めていくことになります。
特に①と③は経験がないので準備に苦労される方が多いです。
例1)自分たちにとってどういう条件が必要かわからない。
例2)合意した条件をどのように整理して書けばいいかわからない。
一方、専門家へ養育費支払公正証書の作成依頼をする場合、
③④は専門家が準備をしてくれるので当事者は②条件協議に集中できます。
ただし、専門家には報酬支払が必要となります。これがデメリットとなります。
なお、当事務所では認知条件のチェックシートの送付から始めます。
①の準備時間を省略することができるだけではなく効率の良い協議が期待できます。
また当事務所では代理作成をしているので当事者が④公証役場に出向く必要はありません。
認知条件のチェックシートの詳細はこちらをご覧下さい。
ここまでお伝えしたことをまとめると以下の通りとなります。
〈まとめ〉
・費用節約を考えるのであれば自分で作成する
・効率良く質の高い公正証書を作成したい場合は専門家へ依頼する
公正証書作成前にするべき2つのこと
認知に伴う養育費支払公正証書はどんな状況でも作成できる訳ではありません。
ここでは作成する前にするべきことをお伝えします。これを飛ばして進めた場合は作成できない可能性があります。
〈作成前にするべき2つのこと〉
① 認知の届出をする
② 当事者間に公正証書作成の意思がある
先ず①認知の届出をすることで父子は法律上の親子となります。
このことから子どもが認知されていない場合、養育費支払公正証書は作成できません。
なお、胎児認知の場合でも公正証書を作成できる可能性があります。
胎児の状況で作成を希望する場合は事前に公証役場への確認が必要です。
このケースでは養育費の始期は「子が出生した日の属する月」となります。
そして公正証書には強制執行という強い効力があります。
このことから②当事者双方に作るという意思がない限り作ることはできません。
当事者の一方が①と②を省略して公正証書作成を進めた場合、
最後の最後で作れない状況になる可能性があるのでご注意下さい。
例)父親が認知をして養育費は払うけど公正証書は作らないと主張する。
公正証書に残す代表的な3つの条件
ここでは公正証書に記載する主な条件をわかりやすく解説します。
下記【参考情報】には離婚条件の情報も含まれています。
離婚と認知は共通点が多いので離婚情報も利用できます。ご安心下さい。
代表的な条件は3つ
先ず養育費は全ての方が記載する条件となります。
なぜなら養育費の未払い対策のために公正証書を作成するからです。
〈養育費で決める基本的な条件は5つ〉
① 養育費の始期(いつから)
② 養育費の終期(いつまで)
③ 養育費の金額(いくら)
④ 養育費の支払日
⑤ 養育費の振込先
当事務所では①~⑤を養育費の基本額と呼んでいます。
最低限、この5つは話し合って合意するようにして下さい。
なお、①~⑤以外の+aの条件を合意するご依頼者様は多いです。
例1)年齢に応じて養育費の金額を上げる。
例2)月払いの養育費とは別に進学に必要な費用も決める。
+aの条件も含めて養育費だけで10個以上になるご依頼者様が多いです。
【参考情報】
・認知した子どもの養育費の決め方‐相場など3つのポイント解説
・養育費の相場はいくらか知りたい‐年収別早見表や決め方を紹介
・養育費はいつまで?‐子供が何歳まで払う?という疑問を解決
・養育費の自動振込や自動送金とは?‐支払方法を知りたい
次に面会交流は認知をすることになった経緯などによって条件は2つの方向性にわかれることが多いです。
〈面会交流での2つの方向性とは?〉
① シンプルな条件で合意
② 様々な状況を考慮して細かい条件で合意
この①②の方向性はどちらが正解、間違いとは言えないので、
当事者の状況を考慮した上でよく話し合って決めていくことになります。
例1)できる限り交流したいので回数制限を設けない。
例2)双方の居住地が遠距離なので細かく条件を決めておく。
なお、①はシンプルなので条件は2個程度、
②は細かいので条件は10個以上になるご依頼者様が多いです。
【参考情報】
・面会交流で取り決める条件の例を解説
最後に通知義務は不要と考える方もいますが当事務所では大事な条件と考えています。
通知義務を記載する理由は以下の通りです。
〈通知義務が大事な理由とは?〉
① 支払者の状況把握に役立つ(どこに住んでいるのか)
② 未払いが起きた時に迅速に対応できる(電話で確認ができる)
認知した子どもが幼い場合、養育費の支払期間は10年以上になります。
いくら養育費支払の公正証書を作成したとしても、
終期まで毎月約束した日に支払ってくれるかは別問題です。
このことから5年後、10年後を見据えて①支払者の状況を把握することは大事です。
また通知義務では住所地、電話番号の変更通知を入れることになります。
つまり②未払いが起きた時に迅速に支払者へ確認ができるので大事な条件と考えます。
例)養育費が振込まれていないから支払者に電話をして理由を聞く。
【参考情報】
・通知義務のQ&A
認知条件のチェックシートを利用しませんか?
合意書や認知に伴う養育費支払公正証書作成のご依頼を頂いた場合、
これまでの経験を反映した認知条件のチェックシートの送付から始めます。
注)チェックシートだけの販売は行っておりません。
何度も内容のアップデートを繰返しています。
つまり開業以来の経験を多数反映したものとなっています。
チェックシートとは?
1.計8ページ45項目を掲載
2.認知で協議する必要な条件情報を全て網羅
3.わかりやすいように○×回答形式で掲載
(注)一部手書きでの回答項目もあります。
主に養育費、面会交流、通知義務などの情報を掲載しています。
具体的には以下のように掲載されています。
10番「養育費の分割払いの終期は?(選択肢はA~E)」
25番「面会交流で夏休み・冬休みはどうしますか?(○×回答)」
29番「面会交流で中傷表現禁止事項を作りますか?(選択肢は2つ)」
35番「支払者の住所地が変更された場合は通知しますか?(○×回答)」
このように合意書や公正証書の作成に必要な情報を掲載しているので、
当事者間(自分達)で情報を集める時間は不要となり効率良く話し合いができます。
なお、弁護士法の規定により、相手方との交渉はお引受できません。
+aになる細かい条件も多数掲載しており、○と回答した項目が多い場合、
養育費と面会交流の条件だけでもそれぞれ10個以上になるご依頼者様もいます。
+aの条件とは養育費と面会交流の項目に多く、
これらを検討することで今後のトラブル防止や後悔しないことに繋がります。
こういう訳でご依頼者様からは大変好評を頂いております。
代理作成を利用すれば公証役場に出向く必要はなし
認知に伴う養育費支払公正証書を作成する場合、完成までの期間は2つにわけることができます。
〈2つの期間とは?〉
① 当事者間で協議をして条件をまとめる期間
② 公証役場での公正証書作成の期間
先ず公証役場はゼロベースから公正証書を作ってくれません。
つまり①事前に当事者間で協議をして公正証書に残す条件をまとめます。
例1)養育費は4年制大学卒業の月まで支払う。
例2)面会交流は2か月の内、1回実施する。
各当事者の状況に応じて①の期間はバラバラです。
養育費の金額や終期などが直ぐまとまるか、まとまらないかで変わります。
そして②公証役場での公正証書作成期間は各公証役場の予約状況に応じて変動します。
一般的に公証役場には2回出向く必要があります。
1回目は当事者で合意した条件の確認や相談、2回目は公正証書の作成日です。
各公証役場の予約状況に応じて変わりますが、
②の期間は1か月~2か月程度みておけば良いと思います。
なお、公正証書を作成する場合、住所地管轄はありません。
つまり当事者の好きな公証役場で公正証書を作成することが可能です。
例)父親は奈良県、母親は兵庫県在住だけど大阪市内の公証役場で作成する。
このことから当事務所では公正証書の代理作成に対応しています。
〈代理作成の3つの特徴〉
① 当事者は1度も公証役場に出向く必要はなし
② 公証役場での作成期間は平均2週間~20日程度
③ 完成した公正証書は郵送で届く
注)代理作成独特のデメリットは無料相談時にお伝えしています。
養育費支払公正証書は大事な書類なので当事者が公証役場に出向いて作成した方が良いと考えます。
ただ何か事情がある場合は代理作成も可能なのでお気軽にご相談下さい。
例1)仕事の関係で平日の日中に公証役場に出向くのが難しい。
例2)当事者の居住地が遠距離(東京と大阪)で出向くのが難しい。
当事務所が代理作成で利用する公証役場の場合、
勝手がわかっているので②作成期間は2週間~20日程度と短縮できます。
注)公証役場の予約状況によっては延びる可能性があります。
代理作成を利用した場合の必要書類は2人で6つ
① 父親の印鑑証明書
② 父親の住民票
③ 父親の戸籍謄本(認知の記載あり)
④ 母親の印鑑証明書
⑤ 母親の住民票
⑥ 母親の戸籍謄本(認知の記載あり)
注)公証役場によっては必要書類が異なるケースがあります。
①~⑥の書類は住民票の住所地の役所ですぐに取得できます。
また状況によってはマイナンバーカードでコンビニ取得をすることも可能です。
なお、妊娠中の子どもの認知(胎児認知)の場合、
③と⑥の書類は不要となり、代わりに認知届の受理証明書が必要となります。
公正証書を作成することで得られる4つのメリット
ここでは認知に伴う養育費支払公正証書を作成するメリットを5つお伝えします。作成前に知ることで後悔しないようにしてほしいです。
4つのメリットとは?
1.強制執行ができる
2.心理的プレッシャーを与える
3.証拠として残る(トラブル防止)
4.養育費に対する意識が高まる
公正証書は全国各地にある公証役場でしか作成できません。
また完成までのハードルは高く時間もかかりますが作る価値は十分あります。
1.強制執行ができる
父親「今月は余裕がないから養育費を払えない。」
母親「遊ぶために払えないなら強制執行の準備をします。」
公正証書を作成すると強制執行という効力が生じます。
養育費の支払を怠ると裁判所の判決を経ずに給与などの差押えができます。
この強制執行(財産差押え)に興味を持ち公正証書作成の決意をされる方が多いです。
2.心理的プレッシャーを与える
父親「強制執行はされたくない。」
父親「給与を差押えされると勤務先にバレるな。」
仮に給与の差押えがされると勤務先(上司)に知られます。
支払者(父親)はこのようなプレッシャーを感じて支払率アップに繋がります。
公正証書を作成するためには手数料が必要ですが、
心理的プレッシャーと強制執行という2段階のメリットが生まれます。
手数料とは専門家へ依頼をした場合の報酬、公証役場へ支払う手数料を言います。
3.証拠として残る(トラブル防止)
父親「養育費は高校卒業までだよね?」
母親「違います。4年制大学卒業までで合意しました。」
今後、合意した養育費の条件について対立(相違)が起きた場合、
公正証書を確認すればどちらの主張が正しいのか直ぐにわかります。
なぜなら公正証書に答えが載っているからです。
仮に合意した条件を口約束で終えた場合、
証拠書類がないのでどちらの主張が正しいのか判断できません。
つまり終わりの見えないトラブルに発展します。(水掛け論)
4.養育費に対する意識が高まる
父親「養育費は月3万円が限界。」
母親「賞与月に上乗せしてくれるかな?」
父親「多少は上乗せできるよ。」
母親「それなら月3万円で受入れます。」
公正証書を作成することで権利義務が生じるので、
養育費の条件は時間をかけて真剣に話そう。という意識付けの効果を得れます。
口約束に比べると「話し合う」という最終合意までの過程を大事にするので、
協議の過程で少しずつ約束を守ろう。という強い意識が生まれ支払率アップに繋がります。
当事務所に公正証書作成のご依頼を頂いた場合は、
当事者双方にこの意識付けが生まれるような原案作成を心掛けています。
最後に公正証書があればいざという時に強制執行をできますが、
当事務所ではやらないに越したことはない。という考えがあります。
この考えを実現するためチェックシートの活用や十分な打合せを通じて、
当事務所では心理的プレッシャーを感じやすい養育費支払公正証書の原案を作成します。
料金案内(安心の後払い)と養育費の補助金
ここでは料金をわかりやすくお伝えします。
追加料金はナシ、契約期間は無期限なので安心してご依頼を頂けます。
料金は3つにわけるとわかりやすいです。
〈公正証書の代理作成にかかる料金〉
① 当事務所報酬‐5万円
② 公証役場に提出する必要書類取得費用‐2千円程度
③ 公証役場に支払う手数料‐?円
先ず①当事務所報酬は5万円です。
代理人2名分(父親と母親)の費用も込みの料金です。
過去、ご依頼者様に5万円以上の請求をしたことがないのでご安心下さい。
次に②公証役場に提出する必要書類の取得費用は2千円程度です。
当事者双方に印鑑証明書や戸籍謄本などを取得して頂く際に役所へ支払う費用です。
必要書類の詳細は代理作成を利用した場合の必要書類は2人で6つをご確認下さい。
最後に③公証役場手数料は養育費の金額や支払期間に応じて変動します。
このことから現時点では?円と記載しています。詳細は以下にて解説しております。
当事務所では平均3万円前後になるご依頼者様が多いです。
〈公証役場に支払う手数料の内訳〉
A 書面料金など
B 目的価額に応じて決定
先ずA書面料金などは公正証書のページ数などに左右されます。
当事務所のご依頼者様の場合、1万円程度でおさまる方が多いです。
そしてB目的価額とは養育費の支払総額から計算されます。
単純に毎月の養育費×支払期間とはならないケースもあるのでご注意下さい。
〈目的価額について〉
・100万円までは5,000円。
・200万円までは7,000円。
・500万円までは11,000円。
・1000万円までは17,000円。
・3000万円までは23,000円。
・5000万円までは29,000円。
目的価額の計算例を下記に記載します。
例1)月3万円×期間は5年=180万円=7,000円
例2)月5万円×期間は5年=300万円=11,000円
例3)月5万円×期間は15年=600万円=17,000円
ポイントは例3です。
養育費の支払期間が10年以上の場合は10年間で計算されます。
このことから例3は15年ではなく10年で計算するので600万円となります。
また支払期間が10年未満の場合は例1例2のように実際の支払期間で計算されます。
なお、ある程度条件が固まった時点で予想額はお伝えできるのでご安心ください。
最後に養育費作成の補助金を出している自治体もあります。
費用節約になるので、詳細はお住まいの地域の役所に確認することをお勧めします。
【参考情報】
・養育費の公正証書を作成すると支給される補助金について知りたい
無料相談のお問合わせ(全国対応)
行政書士辻法務事務所 行政書士 辻雅清
営業時間 平日10:00~17:00
事前予約制ですが土・日・祝、夜間帯の対応も可能です。
電話でのお問合わせ
072-871-9922/090-8886-9922
行政書士の辻雅清が直接対応させて頂きます。
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プロフィール
平成20年度の行政書士試験に合格しました。(3度目の挑戦です。)
合格後の準備期間を経て平成22年5月に大阪府大東市にて開業しました。
開業から現在に至るまでご依頼者様とのご縁を大切に考え、
少しでもお役に立てるように日々、自分は何ができるかと考えております。
認知に伴う養育費支払の条件で悩んでいる皆さまに対して、
合意書や養育費支払公正証書の作成を通じてサポートさせて頂きます。(全国対応)
今現在悩んでいる、疑問点を抱えているという方はお気軽にご相談下さい。
ご連絡をお待ちしております。 行政書士 辻 雅清。
プロフィールの詳細はこちらをご覧下さい。
行政書士辻法務事務所
行政書士 辻 雅清
所属:日本行政書士会連合会(登録番号 第10260068号)
所属:大阪府行政書士会(会員番号 第005810号)
資格:行政書士、MOS(Word・Excel)、日本漢字能力検定2級
事務所:大阪府大東市寺川5丁目18-73
電話番号:072-871-9922/090-8886-9922
主要業務:離婚協議書作成、離婚・認知養育費支払公正証書原案作成
コラムのカテゴリーページはこちらです。
【未婚の子どもの認知 2024/05/04】