離婚時の年金分割って内容が難しい。

色々調べたけど難しい言葉が多くてわからない。
この疑問を解決できるようにわかりやすく解説します。

離婚時の年金分割の疑問を解決する行政書士の辻雅清

更新

ホームページなどで離婚時の年金分割の情報を集めたけど、
難しい言葉が多くて、どのような制度なのかわからないという方が多いです。

Q年金分割とはどういう制度なの?
Q年金分割の手続きはどのように進めるの?

このような離婚時の年金分割に関する疑問の声をよく頂戴します。

このページでは年金分割の疑問や悩みを解決するために、
離婚公正証書の原案作成などに力を入れている行政書士の辻雅清が
年金分割の特徴・3号分割・合意分割・手続きなどについてわかりやすく解説します。

【目次】

○ 離婚時の年金分割とは?
○ 年金制度を理解することがスタートライン
○ 離婚時の年金分割の手続きは誰ができる?
 ‐ 年金分割の申請方法
○ 3号分割の具体例と特徴とは?
○ 合意分割の具体例と特徴とは?
 ‐ 離婚時の年金分割の相場を知りたい
 ‐ 年金分割のための情報通知書とは?
○ 合意分割の手続きと流れ
 ‐ 年金分割の合意書は簡単に作れる?
○ 離婚時の年金分割をわかりやすくまとめると
○ 離婚時の年金分割のQ&A(6つ)
 ‐ 年金分割をしないとどうなる?
 ‐ 見込額(いくら)や必要書類を知りたい

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不具合(送信出来ないという通知が届くなど)が起きている可能性があるので、
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又はお電話にてお問合わせ頂けると、確実に対応することが出来ます。

宜しくお願い致します。(令和4年12月4日)

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離婚時の年金分割とは?

馴染みがないので難しい話になりますが、
例などを使いながら、わかりやすくお伝えします。

離婚時の年金分割とは婚姻中に納付した厚生年金を分割すること

離婚時の年金分割とは婚姻中に納付した厚生年金を分割することです。
国民年金ではなく厚生年金を分割する。これが年金分割のポイントです。

将来、年金を受給できる年齢に達した時に、
国から支給される夫と妻の年金額が同じというケースは少ないです。
(例 夫は国から月13万円支給、妻は月5万円支給される。)

離婚しなければ夫と妻の年金が家族の財布となりますが、
離婚すると別々になるので、妻は以下のように不公平だと思います。

・夫との年金額に差がある。
・私が支えたから夫は働くことができた。
・仕事に集中できたから年金をたくさんもらっている。

この妻が感じた不公平を解消するのが離婚時の年金分割です。
夫が納付した厚生年金の一部を妻に移すことで妻の年金額が増えます。

つまり年金分割の申請をすると夫の年金は減り、妻の年金は増えます。

ちなみに年金分割は婚姻中の雇用形態で判断されるので、
夫婦の働き方によっては妻の年金が減り、夫の年金が増えることもあります。
(例 妻は会社員として働いて、夫は専業主夫として家庭を支える。)

最後にこのページでは年金分割の手続きを解説していきますが、
馴染みがなくて難しい話なので、文章だけのHPだけだと理解しにくいです。

内容が難しいと思った場合はお気軽お電話にてお問合わせ下さい。

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年金制度を理解することがスタートライン

なんとなくわかっているという方が多いです。
できる限りわかりやすい表現を使って解説していきます。

年金制度を理解すると離婚時の年金分割への理解が進む

離婚時の年金分割の手続きを理解するためには、
現在の年金制度を知っておくとわかりやすくなります。

ただ年金制度の全てを理解する必要はないのでご安心下さい。
基本的なことだけ押えておけば、年金分割の手続きへの理解が進みます。

ここでは年金制度の基本的な部分だけ解説していきます。

年金の仕組みとは?

1.自営業  → 国民年金を納付
2.専業主婦 → 国民年金を納付
3.会社員  → 国民年金+厚生年金を納付
4.公務員  → 国民年金+厚生年金を納付

年金とは国から老後の生活費を受取るために、
若い間に1~4の雇用形態に応じた保険料を毎月払うことです。

補足として、扶養内パートは専業主婦と同じ扱いとなり、
平成27年10月の一元化により公務員は共済年金ではなく厚生年金とします。

自営業者は納付書や銀行引落で年金保険料を納めています。
会社員や公務員は毎月の給与から社会保険料として天引きされています。

ここでポイントになるのが会社員や公務員が納付している厚生年金です。

会社員や公務員は2つの年金(国民と厚生)を納付しているので、
2階建てと呼ばれ、自営業者や専業主婦より将来受取る年金は多くなります。
(※ 自営業者と専業主婦は1階部分の国民年金しか納付していません。)

つまり会社員や公務員は厚生年金の分だけ、
将来、自営業者や専業主婦より年金を多く受取ることができます。

ここでは「会社員と公務員>自営業と専業主婦」という点を覚えて下さい。

婚姻中は夫と妻の年金を合算したものが生活費(財布)となりますが、
離婚すると年金が少ない専業主婦は経済的に苦しい生活を送ることになります。

この問題を解決するために年金分割の手続きがあります。

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離婚時の年金分割の手続きは誰ができる?

少しずつ内容が難しくなってきます。
わからないという方は専門家への相談をお勧めします。

離婚時の年金分割は手続きができる人とできない人がいます

離婚時の年金分割とは婚姻中に納付した厚生年金を分割することです。
国民年金ではなく厚生年金を分割する。これが年金分割のポイントです。

こういう訳で婚姻中の夫婦の雇用形態に応じて、
手続きができる人、できない人がいるのでご注意下さい。

ここでは雇用形態と申請方法についてわかりやすく解説します。

離婚までの雇用形態を確認

1.会社員同士の夫婦
2.会社員と専業主婦の夫婦
3.自営業者と専業主婦の夫婦
※ 公務員は会社員と同じ扱いです。
※ 専業主夫は専業主婦と同じ扱いです。

婚姻~離婚までの夫婦の雇用形態の組合せは多数あり、
全てのケースをお伝えできないので、今回は1~3の雇用形態を解説します。

先ず1は夫婦共に厚生年金を納付しているので、
婚姻中に多く納付した人が少ない人に対して年金を分割します。
(例 多く納付した夫が妻に対して年金を分割する。)

ただ現実的な話として共働きの夫婦は経済的に自立しているので、
協議の結果、年金分割をしないという結論を出すケースも十分考えられます。

次に2は夫が会社員で厚生年金を納付しているので、
婚姻中に夫が納付した分を妻に対して分割することになります。

尚、当事務所では2に該当するご依頼者様が多いです。

最後に3は夫婦共に国民年金しか納付していないので、
年金分割の手続きはできません。そもそも協議する必要もありません。

ここまでの話を整理すると以下の通りです。

・1と2に該当する夫婦は年金分割ができる。
・3に該当する夫婦は年金分割ができない。

年金分割を考えた場合、この雇用形態の把握から始めて下さい。

年金分割の申請方法

1.3号分割の申請をする
2.合意分割の申請をする
3.3号分割と合意分割の併用で申請をする

離婚までの雇用形態を確認後、年金分割の対象者だとわかれば、
1~3の中で自分がどの申請方法に該当するか調べることになります。

1~3の申請方法は夫婦の意思で選べるものではなく、
婚姻した日・婚姻中の雇用形態に応じて申請方法は決まります。

自分の意思で申請方法は選べない。これは大事なポイントです。

申請方法を間違えた場合、やり直しになるのでご注意下さい。

合意分割から3号分割へのやり直しの場合は問題ありませんが、
3号分割から合意分割へのやり直しは元夫婦間での再協議が必要です。
(例 3号分割だと思って年金事務所に行ったら合意分割だと言われた。)

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3号分割の具体例と特徴とは?

3号分割は新しい手続き方法となり、
合意分割に比べるとわかりやすいと言われています。

3号分割の対象は専業主婦や扶養内パートの方です

先ずは年金分割の申請方法でお伝えした通り、
自分が3号分割に該当するのか、該当しないのかを確認して下さい。

3号分割に該当しない場合は合意分割に該当します。

ここでは3号分割の特徴と具体例についてわかりやすく解説します。

ポイントは4つ

1.平成20年4月以降の納付分が適用
2.対象は専業主婦(主夫)や扶養内パート
3.按分(分割)割合は一律50%(半分ずつ)
4.離婚後、年金事務所での手続きは1人でできる

先ず離婚時の年金分割で3号分割の手続きができるのは、
1平成20年4月以降に納付した厚生年金の保険料分となります。

この時期より前に納付した分は後述している合意分割の手続きとなります。

次に年金分割で3号分割の手続きができる対象者は、
1の期間で2専業主婦(主夫)や扶養内パートだった人となります。
(例 平成22年1月~離婚まで専業主婦だったので3号分割の手続きをする。)

つまり2の対象者とは厚生年金を納付していない人です。

次に3号分割には相場というものはありません。
3按分(分割)割合は一律50%と決まっていて配偶者との協議は不要です。

尚、後述している合意分割の手続きを行う場合、
事前に配偶者と按分割合の協議を行い、分割割合を決めなければいけません。

最後に3号分割の手続きは4離婚後1人でできるので、
最寄の年金事務所に出向いて、申請をすれば手続き終了となります。
注)事前に年金事務所で必要書類の確認をして下さい。

以上のことから、3号分割は新しい手続きの方法となっており、
合意分割と比べると、わかりやすく手間がかからないという特徴があります。

Q自分が3号分割に該当するかわかりません。

3号分割の特徴がわからない・難しいという方は、
年金事務所や専門家に相談をすれば、直ぐに理解できる可能性が高いです。

尚、年金事務所などに3号分割の相談をする場合は、
婚姻した日・婚姻中の職歴を伝えるとスムーズに回答を得れます。

以下に3号分割の具体例を2つご紹介します。
解説文でお伝えするよりイメージが湧きやすいと思います。
注)具体例はご依頼者様の話ではなくフィクションです。

3号分割の具体例1

◇ 平成21年5月に結婚
◇ 現在まで夫は会社員で妻は専業主婦
◇ 結婚中に妻は仕事をしていない
◇ 令和4年12月に協議離婚が成立

先ずこの夫婦は平成21年5月に結婚しているので、
ポイント1「平成20年4月以降の納付分」の条件をクリアしています。

次に妻は結婚中に仕事をしていないので、
ポイント2「対象は専業主婦」の条件もクリアしています。

以上のことから、この夫婦が離婚時の年金分割を考えた場合、
3号分割に該当するので、離婚した後に妻が1人で申請すれば手続き終了です。

3号分割の具体例2

◇ 平成25年1月に結婚
◇ 夫は結婚から3年間は自営業者
◇ 夫は結婚4年目から会社員
◇ 結婚中に妻は扶養内で仕事をしていた
◇ 令和4年12月に協議離婚が成立

先ずこの夫婦は平成25年1月に結婚しているので、
ポイント1「平成20年4月以降の納付分」の条件をクリアしています。

ただし、夫は結婚から3年間は自営業者だったので、
この期間は厚生年金を納付していないため、年金分割の対象期間から外れます。

次に夫は結婚4年目からは会社員で厚生年金を納付しているので、
結婚4年目~離婚が成立するまでの期間は年金分割の対象期間となります。

次に妻は結婚中に扶養内で仕事をしていたので、
ポイント2「対象は扶養内パート」の条件もクリアしています。

以上のことから、この夫婦が離婚時の年金分割を考えた場合、
3号分割に該当するので、離婚した後に妻が1人で申請すれば手続き終了です。
ただし、全ての結婚期間ではなく4年目~離婚が成立するまでの期間となります。

具体例1との違いは全ての結婚期間が対象にならないというです。

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合意分割の具体例と特徴とは?

合意分割の仕組みが1番難しいです。
わからないという方は専門家への相談をお勧めします。

合意分割の制度を理解するのは難しいです

先ずは年金分割の申請方法でお伝えした通り、
自分が合意分割に該当するのか、該当しないのかを確認して下さい。

合意分割に該当しない場合は3号分割に該当します。

合意分割の仕組みはわかりにくいことに加えて、
対象になる人のパターンも複数あるので、理解するのに苦労します。

ここでは特徴を解説文でお伝えせずに、
以下に具体例を交えながらわかりやすく解説していきます。
注)具体例はご依頼者様の話ではなくフィクションです。

合意分割の具体例

◇ 平成15年1月に結婚
◇ 現在まで夫は会社員で妻は専業主婦
◇ 結婚中に妻は仕事をしていない
◇ 按分割合の協議は50%で合意
◇ 令和4年12月に協議離婚が成立

離婚時の年金分割で合意分割の手続きを理解するには、
3号分割のポイントは4つと比較するとわかりやすいです。

以下に3号分割の4つのポイントを再掲載しておきます。

1.平成20年4月以降の納付分が適用
2.対象は専業主婦(主夫)や扶養内パート
3.按分(分割)割合は一律50%(半分ずつ)
4.離婚後、年金事務所での手続きは1人でできる

比較しながら読み進めて下さい。

先ずこの夫婦は平成15年1月に結婚しているので、
ポイント1「平成20年4月以降の納付分」の条件をクリアしていません。

つまり結婚~平成20年3月までの期間は合意分割となります。(ポイント1以前)

そして平成20年4月~離婚が成立するまでの期間については、
ポイント1「平成20年4月以降の納付分」の条件をクリアしています。

つまり平成20年4月~離婚までの期間は合意分割となります。(ポイント1以降)

ここまでをまとめると以下の通りです。

・ポイント1以前の期間については合意分割の手続きが必要。
・ポイント1以降の期間については3号分割の手続きが必要。

結論としては合意分割と3号分割の併用申請となります。
この併用申請という手続きがあるので、合意分割はわかりにくいと言われています。

補足ですが結婚~平成20年3月までの期間(ポイント1以前)については、
どのような雇用形態(専業主婦・扶養内・共働き)でも合意分割の手続きとなります。

次に合意分割は按分(分割)割合について以下のような協議が必要です。

夫「按分割合はどうする?」
妻「公平に50%の分割を希望します。」

3号分割はポイント3「按分割合は一律50%」となっていましたが、
合意分割は夫婦が「定められた按分割合の範囲内」で協議を行い決定します。

つまり3号分割は協議が不要、合意分割は協議が必要となります。

定められた按分割合の範囲内とは最大値は50%ですが、
以下のように最小値は各夫婦によって異なるので、協議前に調べて下さい。

例1「39%~50%で決めなければいけない。」
例2「45%~50%で決めなければいけない。」

最小値を知るためには年金分割のための情報通知書が必要となります。

そして按分割合が決まれば、合意分割の協議は終了となります。
離婚後、元夫婦が揃って年金事務所に出向き、申請をすれば手続き終了です。

3号分割はポイント4「手続は1人でできる」となっていましたが、
合意分割は1人でできず、元夫婦が2人揃って手続きをしなければいけません。

2人揃って手続きをすることが難しい場合は、
公証役場で年金分割の合意書という書面を作成すれば1人でできます。

詳細は年金分割の合意書は簡単に作れる?ご覧下さい。

Q1離婚時の年金分割の相場を知りたい。

先ず3号分割には相場というものはありません。
按分(分割)割合は一律50%と決まっていて配偶者との協議は不要です。

つまり相場を考えるのは合意分割だけとなります。

協議離婚とは夫婦間の話し合いで条件を決めるものなので、
合意分割の按分割合も範囲内であれば自由に決めることができます。

この按分割合については50%が相場と考えられています。
按分割合の協議で揉めるという話はほとんど聞いたことがありません。

つまり相場通り50%で合意している印象が強いです。

年金分割のための情報通知書とは?

1.年金事務所で発行
2.按分割合の範囲が記載
3.第一号改定者は年金が減る
4.第二号改定者は年金が増える
5.全ての夫婦が取得する必要はない

年金分割のための情報通知書は年金事務所で発行されます。
婚姻中の夫婦の納付記録や按分割合の範囲などが記載されています。

情報通知書を請求するための必要書類は年金事務所で確認をして下さい。

年金分割のための情報通知書のポイントは以下の通りです。

・按分割合の範囲を確認する。
・第一号改定者の氏名を確認する。
・第二号改定者の氏名を確認する。

按分割合の範囲を確認後、夫婦間で以下のような協議を行います。

妻「通知書には44%~50%って記載されてるね。」
夫「50%は厳しいから、最小値の44%にしてほしい。」

妻「老後のお金だから50%にしてほしい。」
夫「わかったよ。希望通り50%の分割でいいよ。」

按分割合の協議では範囲内で合意して下さい。
この「範囲内で合意」は合意分割の大事なポイントです。

尚、最大値である50%で合意すると決めている場合、
最小値を知る必要はないので、情報通知書を取得しないという選択もできます。

最後に第一(二)号改定者の詳細は以下のQ2をご覧下さい。

Q2合意分割の手続きで減るのは夫?

婚姻中、夫妻の収入が似ている場合は納付保険料も近いので、
どちらが合意分割の手続きで増えるか・減るか、わからないケースがあります。

この疑問の答えは年金分割のための情報通知書に記載されています。

情報通知書には第一号改定者・第二号改定者という項目があります。
一号に夫・二号に妻の氏名が記載されている場合は夫から妻への分割となります。

つまり一号が合意分割で減る人、二号が合意分割で増える人になります。

ただ現実的にはこの状況では手続きをしないケースもあります。
なぜなら将来の年金受給額の影響が小さく、手続きを手間だと考えるからです。

Q3情報通知書を請求すると配偶者にバレる?

離婚前に年金分割のための情報通知書を請求した場合、
請求者にだけ通知が来るので、配偶者に請求した事実は知られません。

つまり配偶者に知られず情報を把握できます。

一方、離婚後に年金分割のための情報通知書を請求した場合、
仮に1人で請求しても双方(請求者と元配偶者)に通知がいきます。

以上のことから、離婚前はバレない、離婚後はバレることになります。

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合意分割の手続きと流れ

馴染みのない難しいワードが続きますが、
最後にここを理解できれば大丈夫です。安心して下さい。

合意分割の手続きと流れをわかりやすく解説

これまで離婚時の年金分割の合意分割の特徴をお伝えしてきました。
完全に理解できた方・なんとなく理解できた方、様々な状況だと思います。

ここでは合意分割の手続きと流れをわかりやすく解説します。
特になんとなく理解できた方にお読み頂ければ、完全理解に近づくと思います。

一般的な進め方とは?

1.離婚後に手続きを開始
2.元夫婦が揃って年金事務所に出向く
3.年金事務所で合意分割の申請手続きをする
4.合意分割の手続き終了
※ 手続きを1人でしたい場合は年金分割の合意書が必要。

離婚時の年金分割の手続きは離婚後に年金事務所で行います。
合意分割は元夫婦が揃って出向き、申請手続きをしなければいけません。

手続きに必要な書類などは事前に年金事務所で確認をして下さい。

3号分割の手続きは1人でできますが、合意分割は2人でする必要があります。

手続きを2人でする場合は以下のような不安を覚える方が多いです。

・仕事の都合上、元配偶者が平日に来てくれるかな?
・来てくれると言ったけど、本当に来るか信用できない。

この不安は年金分割の合意書という書面があれば解消できます。

年金分割の合意書があれば、この書面が元配偶者の代わりになります。
つまり離婚後の合意分割の手続きを2人ではなく1人でできるようになります。

年金分割の合意書の詳細は以下のをご覧下さい。

Q年金分割の合意書は簡単に作れる?

年金分割の合意書は全国各地にある公証役場でしか作れません。

記入項目は少ないので按分割合の合意ができれば直ぐに作れます。
具体的には氏名・生年月日・基礎年金番号・婚姻日などを記入します。

年金分割の合意書のイメージが湧かないと言う方は、
離婚協議書・公正証書のサンプルと書き方にある第6条をご覧下さい。

尚、年金分割の合意書を作るためには5,500円の手数料が必要です。
作成時に必要な書類(年金手帳のコピーなど)は公証役場で確認をして下さい。

養育費や慰謝料などの離婚条件を離婚公正証書に残す場合、
離婚公正証書の作成と同時に年金分割の合意書を作る方も多いです。

離婚公正証書の詳細はこちら、養育費の詳細はこちらをご覧下さい。

当事務所に離婚公正証書作成の依頼を頂いた場合は、
離婚条件の情報を掲載した離婚チェックシートの送付から始めます。
全13ページで63個の条件を記載しています。(養育費と面会交流の条件が多い)

自分の考えを整理しやすいように掲載しているので、
自分で離婚条件の情報を集める必要はなく、効率良く離婚の協議を進めれます。

詳細は離婚チェックシートとはご覧下さい。

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離婚時の年金分割をわかりやすくまとめると

ここまでのまとめをお伝えします。
最終チェックをして年金分割の準備を始めて下さい。

離婚時の年金分割のまとめ

これまで離婚時の年金分割についてお伝えしてきました。

年金制度・雇用形態・3号分割・合意分割など、
馴染みのないワードがたくさん出てきて難しかったと思います。

ここでは最終確認としてお伝えした内容を整理しています。
最終チェックとして自分が理解できているか・できていないかご確認下さい。

ポイントは3つ

1.自分は手続きができる?
2.自分はどの申請方法になる?
3.年金分割の合意書は作るべき?

離婚時の年金分割とは婚姻中に納付した厚生年金を分割することです。
国民年金ではなく厚生年金を分割する。これが年金分割のポイントです。

年金分割の手続きをできる人は決まっています。
先ずは自分が手続きをできるのか・できないのかを確認して下さい。

詳細は離婚までの雇用形態を確認をご覧下さい。

次に年金分割の申請方法は自分の意思では決めれません。
婚姻した日・婚姻中の雇用形態に応じて3つの申請方法があります。
3つの申請方法とは3号分割・合意分割・3号と合意の併用申請のことです。

詳細は年金分割の申請方法をご覧下さい。

この時点で自分がどの申請方法になるかわかっているはずです。

最後に申請方法が合意分割になった場合、
離婚後、元夫婦が2人揃って年金事務所に出向いて手続きをします。

この2人揃って出向くことが難しい場合は、
事前に公証役場で年金分割の合意書という書面の作成が必要です。

この書面は元配偶者の代わりになるので、離婚後1人で手続きができます。

詳細は年金分割の合意書は簡単に作れる?をご覧下さい。

尚、3号分割の手続きは離婚後に1人でできます。
つまり合意分割のように年金分割の合意書を作る必要はありません。

以上で離婚時の年金分割に関するまとめは終了となりますが、
まだ難しいという方は年金事務所や専門家への電話相談をお勧めします。

年金分割についてはHPで情報を集めるより、
電話相談で確認をした方がわかりやすく理解も一気に進みます。

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離婚時の年金分割のQ&A(6つ)

不安や疑問を一つ一つ丁寧に解消することが、
離婚後に後悔する可能性を下げることに繋がります。

離婚時の年金分割のQ&A

Q1年金分割の手続きはしなくてもいい?

協議離婚は夫婦間の協議で離婚条件を決めるものです。
つまり「年金分割をしない」という結論を出しても問題ありません。

婚姻期間が短い場合、年金受給額の影響が小さいので、
年金事務所での手続きが手間だと考えて、この結論を出す方も多いです。

Q2年金分割をしないとどうなる?

年金分割をしないという結論を出すこともあります。(Q1参照)

年金分割の手続きをしない場合は将来の年金受給額は変わりません。

本来、年金分割の手続きをすれば増える人と減る人に分かれます。
手続きをしない場合は増える人は増えない、減る人は減らないだけです。

表現は悪いですが増える人は損をする、減る人は得をするとも言えます。

Q3年金分割の合意ができない時は?

年金分割の合意とは夫婦間で協議が必要な合意分割のことです。
協議が難航した場合、家庭裁判所に調停を申立てて解決を目指すことになります。

調停に関する相談は弁護士さんにして下さい。

仮に調停の申立をすることに抵抗感がある場合は、
合意分割の協議を継続する又は合意分割を諦めるという2つの選択肢が残ります。

尚、3号分割は按分割合が一律50%と決まっているため、
そもそも合意分割のように夫婦で協議をする必要はありません。

Q4年金分割には請求期限がありますか?

離婚から2年以内に請求の手続きをする必要があります。
「離婚から2年以内」なので婚姻中に手続きをすることはできません。

離婚後に合意分割の按分割合について協議することもできますが、
元配偶者が非協力的になるリスクがあるので、離婚前の合意が望ましいです。

協議離婚では年金分割以外に養育費などの協議も行います。
全ての離婚条件について離婚前に協議をし、最終合意することが望ましいです。

Q5見込額(いくら)や必要書類を知りたい。

この質問については年金事務所への相談をお勧めします。

足を運んだり、予約が必要という手間はありますが、
大事な情報なので年金事務所に直接確認するのがベストだと思います。

Q6再婚したらどうなる?

流れとしては離婚→年金分割の手続き→再婚だと思います。

再婚したからといって、手続きを終えた年金分割に影響は出ません。
つまり再婚したから年金の受給額が増える・減るという変動は起きません。

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まとめ

離婚時の年金分割の手続きで悩んでいるあなたへ。
1人で全てを抱え込まず、いつでもお気軽にご相談下さい。

著者は行政書士の辻雅清

お忙しい中、年金分割に関するページを
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

年金分割とは・手続きなどをわかりやすく説明しました。
「何から始めたらいいかわからない」という状況が緩和されれば幸いです。

協議離婚とは夫婦間の話し合いで進めるため自由度は高いですが、
その代わり「自己責任」を伴います。後悔しないように慎重に進めて下さい。

離婚後の人生は離婚協議の時間より長いです。
この視点を忘れずに持って、年金分割の準備を進めて下さい。

「HPを読んでも制度がよくわからない。」
「将来の年金受給額に影響するから難しい。」

今このようなお悩みやご希望があれば、お問合わせを下さい。
離婚協議書や離婚公正証書作成を通じて、サポートすることができます。

当事務所では初回無料相談(面談・電話・メール)を実施しております。
相談中、相談後に依頼を求めるような行為はしないのでご安心下さい。→ 無料相談

プロフィール

行政書士辻法務事務所
行政書士 辻 雅清
所属:日本行政書士会連合会(登録番号 第10260068号)
所属:大阪府行政書士会(会員番号 第005810号)
資格:行政書士、MOS(Word・Excel)、日本漢字能力検定2級

事務所:大阪府大東市寺川5-18-73
電話番号:072-871-9922/090-8886-9922
主要業務:離婚協議書作成、離婚公正証書原案作成

開業準備中、友人からの離婚相談をきっかけに、
離婚協議書や離婚公正証書の原案作成に力を入れることになりました。

開業当初の気持ち、ご依頼者様への感謝の気持ちを忘れず、
日々、離婚公正証書の作成などで悩んでいる皆様と向き合っています。

プロフィールの詳細はこちらをご覧下さい。