財産分与とは?(特徴)

財産分与は3つに分類されるので、それぞれの特徴を知って下さい。
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財産分与のご相談はお任せ下さい

【目次】

● 財産分与とは?(特徴)
● 財産分与の決め方について(流れ)
● 住宅ローンを完済している不動産の財産分与
● 住宅ローンが残っている不動産の財産分与
● 財産分与のQ&A

離婚時における財産分与とは、結婚中に
購入したモノや蓄えたお金を話し合いで分配することを言います。
(例 結婚中に購入した不動産(家)は夫がもらう。)

【財産分与の種類】

① お金
② 動産
③ 不動産

協議離婚では①~③に分類された財産について、
誰が何を取得するのかについて話し合いで決定していきます。
(例 夫が①をもらう代わりに妻が②と③をもらう。)

「夫名義の預金100万円を半分ずつ分けた。」

先ず①お金の財産分与とは、結婚中に蓄えた
現金や預金等の分配について、話し合いで解決することを言います。

ちなみに財産分与は結婚中に蓄えた財産の分配なので、
結婚前に蓄えたお金や、相続で得たお金は分配の対象にはなりません。
(例 妻が独身時代に貯めた貯金は妻のお金なので、分ける必要はない。)

「夫がパソコンをもらう代わりに妻はテレビと冷蔵庫をもらう。」

次に②動産の財産分与とは、結婚中に購入した
電化製品や家具等の分配について、話し合いで解決することを言います。

ちなみにお金の財産分与と同様に
結婚前に購入した電化製品や家具は分配の対象になりません。
(例 夫が独身時代に購入したカメラは夫のものなので、分ける必要はない。)

「夫名義の不動産(家)を妻が取得することで合意した。」

最後に③不動産の財産分与とは、結婚中に購入した
土地・家・マンションの分配について、話し合いで解決することを言います。

これもお金の財産分与と考え方は同じで、
相続で得た土地・家・マンションは分配の対象になりません。
(例 夫が父親の相続で得た家は夫のものなので、分ける必要はない。)

こういう訳で離婚時の財産分与の話し合いでは、
家の中にある全ての財産が対象になる訳ではないのでご注意下さい。

この判断を間違えると、離婚後のトラブルに繋がります。

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財産分与の決め方について(流れ)

折半で分けることが公平かつ妥当ですが、
離婚時の状況に応じて、柔軟に考えることも大切です。

財産分与の流れや相場を解説

協議離婚は夫婦間の話し合いで進めるので、
財産分与の分配方法については、各ご夫婦の自由な意思で決定出来ます。
(例 夫が家をもらう代わりに妻は預金500万円をもらう。)

【財産分与の合意までの流れ】

① 財産の一覧表(目録)を作る
② 目録を見ながら分配方法について話す
③ 財産分与の合意

先ず財産分与の話し合いをスムーズに進めるためにも、
結婚してから蓄えた財産の一覧表を作ることから始めて下さい。

財産の一覧表は箇条書き(メモ用紙)で十分です。

夫「パソコンとプリンターはもらいたい。」
妻「その代わりにテレビと冷蔵庫が欲しい。」

次に財産の一覧表を見ながら、
このように何を取得するかについて、じっくりと話し合います。

そしてお互いの取得分が決まったら、財産分与の合意となります。

【財産分与の相場に関するご質問】

「財産分与の相場を教えて下さい。」
「財産分与の相場って折半ですよね?」

このような相場に関するご質問を頂きますが、
一般的に折半(半分ずつ)が公平かつ妥当だと考えられています。

ちなみに折半(相場)は絶対的な基準ではないので、
夫婦間の話し合いによっては、異なる結論を出すことも十分あります。
(例 夫名義の預金100万円を夫が30万円、妻が70万円もらう。)

【A夫妻の財産分与(一例)】

◇ お金  → 預金100万円を折半で分ける
◇ 動産  → 電化製品や家具を妻が全て取得
◇ 不動産 → 賃貸のため財産分与なし

A夫妻は預金については折半で分けて、
妻と子供の離婚後の生活を考えて、動産は全て妻が取得することになりました。

動産については妻が100%取得で、財産分与の相場とは異なりますが、
お互いが納得しているのであれば、このような結論でも問題ありません。

妻が専業主婦だった場合、この結論を出すご夫婦が多いです。

ちなみに財産分与では預金の名義人は関係ないので、
夫名義でも妻名義でも、結婚中に蓄えたお金なら分ける必要があります。

【B夫妻の財産分与(一例)】

◇ お金  → 預金600万円を妻が全て取得
◇ 動産  → 夫が全て取得
◇ 不動産 → 家を取得

離婚後も夫が家(査定額500万円)に住み続ける代わりに、
妻が査定額に相当する預金500万円を全て取得することになりました。

又、動産は全て夫が取得することになったので、
余った預金100万円を妻がもらうという結論を出しました。

離婚しても仕事の関係から家を離れたくない夫と、
離婚後の生活資金(現金)が欲しい妻との間で考えが一致した結果です。
(※ 妻は実家に戻る予定なので、動産は不要と考えました。)

財産分与の話し合いでは3つの分類ごとに決めるのではなく、
B夫妻のように総合的(分類しない)に考えて結論を出す方法もあります。

ちなみに財産分与の話し合いを離婚後に行うことも出来ますが、
元配偶者が音信不通になったり、協議に応じてくれないこともあるのでご注意下さい。
(注 財産分与の時効は離婚後2年以内です。)

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住宅ローンを完済している不動産の財産分与

住宅ローンを終えている不動産の財産分与は、
揉める可能性が少なく、解決出来る可能性が高いです。

住宅ローンを完済している財産分与

不動産の財産分与について話し合う場合、
住宅ローン(土地・家・マンション)の有無がポイントになります。

【住宅ローンを完済している場合】

① 離婚後も一方が住み続ける
② 売却して売却益を2人で分ける

住宅ローンを完済している場合の不動産の財産分与は、
銀行の関与を受けないので、夫婦間の話し合いで結論を出せます。

夫「離婚後も家に住みたい。」
妻「その代わり家の価値相当分の預金が欲しい。」

このように①離婚後も一方が住み続けるという結論を出した場合、
残る側が出る側に対して、対価(現金や預金等)を渡すことになります。

妻「離婚後の生活が不安だから家に残りたい。」
夫「分かった。実家に戻るからそれでいいよ。」

又、妻が専業主婦だと離婚後の生活に不安を覚えるので、
このように夫から妻に不動産を譲るという結論を出すケースもあります。
(例 妻が子供の将来を考えて支出を抑えたいと考えている。)

このケースでは不動産の移転登記(名義変更)を伴う財産分与になります。

ちなみに不動産の移転登記は法務局で行いますが、
申請の準備や税金の確認が必要なので、司法書士への相談をお勧めします。

夫「家の財産分与どうする?」
妻「お互い実家に戻るし、売却しましょう。」

そして離婚後、双方が家に残らない場合、
②売却して売却益を2人で分けるという結論を出すケースがあります。
(例 売却益1000万円を500万円ずつ分ける。)

ちなみに売却益は相場通り(折半)分ける必要はありません。
(例 子供が小さいから親権者である妻に多めに渡す。)

尚、家の価値については複数の不動産屋へ相談することをお勧めします。

住宅ローンを完済している不動産の財産分与は、
揉める可能性が少なく、解決出来る可能性が高いですが、
現実的にはローンが残っているご夫婦の方が多いという問題点もあります。

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住宅ローンが残っている不動産の財産分与

住宅ローンが残っている不動産の財産分与は、
揉める可能性が高く、解決まで時間がかかるケースが多いです。

住宅ローンが残っている不動産の財産分与

不動産の財産分与について話し合う場合、
住宅ローン(土地・家・マンション)の有無がポイントになります。

【住宅ローンが残っている場合】

① 住宅ローンを一括で返済する
② 離婚後も一方が住み続ける

住宅ローンが残っている場合の不動産の財産分与は、
銀行の関与を受けるので、夫婦間の話し合いだけでは結論を出せません。
(例 住宅ローンが残っている状態では、勝手に売却等を出来ない。)

先ず①住宅ローンを一括で返済することが出来れば、
上述の通り、夫婦間の話し合いで名義変更や売却等を決定出来ます。

ただ結婚期間が短いご夫婦の場合、ローン残高が多いので、
現実的には一括返済することが難しく、この選択肢を選ぶことが出来ません。

妻「離婚後も住み続けるの?」
夫「1人で住むには広すぎるな・・・」

そして住宅ローンを一括で返済することが難しい場合は、
②離婚後も一方が住み続けることになりますが、このような問題が生じます。

又、夫が主債務者で妻が連帯保証人になっている場合は、
新しい連帯保証人を探す必要があるので、更に解決することが困難になります。

こういう訳で住宅ローンが残っている不動産の財産分与では、
結論を出せる選択肢が少ないので、話し合いが難航することが多いです。
(※ 話し合いが難航した結果、調停離婚に進むご夫婦もいらっしゃいます。)

住宅ローンが残っている不動産の財産分与を考える場合は、
夫婦間だけで話し合いをするのではなく、1回は専門家へ相談することをお勧めします。

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財産分与のQ&A

不安や疑問を一つ一つ丁寧に解消することが、
離婚した後に後悔する可能性を低めることに繋がります。

借金や退職金は財産分与の対象になる可能性があります

Q1「財産分与をしたくないと考えています・・・」

離婚原因によっては、全ての財産を欲しいと考えがちですが、
あくまでも財産分与は結婚中の財産の清算なので、この考えは間違いです。

仮に離婚原因が配偶者の浮気(不倫)だった場合は、
慰謝料請求で解決することになるので、財産分与とは切り離して考えて下さい。
(※ 慰謝料と財産分与は別々に話し合って解決する。)

Q2「動産の財産分与って面倒ですよね・・・」

たしかに全ての動産の分配を決めるとなると、
種類も多いので、話し合いの時間がかかると考えるご夫婦が多いです。
(例 テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・パソコン・掃除機etc)

当事務所では離婚協議書(公正証書)作成を行っており、
動産の財産分与について、このような悩みを抱えているご夫婦に対しては、
自分が高価(大切)だと思うモノのみ話し合うという方法をお勧めしています。
(離婚協議書についてはこちら、公正証書についてはこちらをご覧下さい。)

ちなみにこのケースの場合、残ったモノは口約束で終えることになります。

Q3「借金は財産分与の対象になりますか?」

結婚中に抱えた借金は財産分与の対象になります。
(例 借金100万円を半分ずつ負担することで合意した。)

但し、全ての借金について話し合う必要はなく、
結婚生活を送る上で必要だった借金だけが財産分与の対象になります。

例えば、生活費を補うためにした借金は対象になりますが、
個人的な理由でした借金は財産分与の対象外となり、離婚後も1人で返済します。
(例 夫がギャンブルのためにした借金は、夫が責任を持って返す。)

財産分与には預金のようなプラスの財産もあれば、
借金のようなマイナスの財産もあるので、この機会に覚えて下さい。

Q4「生命保険は財産分与の対象になりますか?」

生命保険の中でも解約返戻金があるものは、財産分与の対象になります。

ただ離婚をするからといって解約する可能性は低いので、
離婚時の解約返戻金を計算し、その一部を分配するという方法になります。
(例 夫の解約返戻金が100万円の場合は、夫が妻に50万円を現金で渡す。)

ちなみに解約返戻金の一部を分配するのではなく、
生命保険の受取人を子供に変更するという結論を選ぶご夫婦も多いです。

Q5「学資保険は財産分与の対象になりますか?」

学資保険の財産分与については、生命保険と同じ考え方になります。

ただ学資保険は子供の将来に役立つお金になるので、
親権者が譲り受けて、離婚後も払い続けるという結論を出すご夫婦が多いです。

Q6「共働きの場合でも、預金の財産分与は折半になりますか?」

共働きのご夫婦の場合、結婚中の生活費だけ折半にして、
残ったお金は各自が自由に管理(使う)するというケースが多いです。

「夫名義の預金は夫、妻名義の預金は妻が取得する。」

協議離婚では夫婦間の話し合いで分配方法を決定出来るので、
財産分与の相場(折半)に拘らずに、このような結論を出すご夫婦も多いです。